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「す」からはじまる ことわざ 3

63. 酢の蒟蒻の ( すのこんにゃくの )

 なんやかやと文句をつけること。
 【参考】 「四の五の」を戯れていったという。

64. すべての道はローマに通ず ( すべてのみちはろーまにつうず )

 ローマ帝国の盛んであった時代には、勢力範囲の各地から道路がローマに通じていた。 一つの真理にあらゆることが適用される。また、ある目的を達するのに手段は幾つもある、という意味。
 【参考】 All roads lead to Rome. の訳語。
 【類句】 百川海に朝す(ひゃくせんうみにちょうす)

65. 滑る道とお経は早い方がよい
  ( すべるみちとおきょうははやいほうがよい )

 滑る泥道は人より先に歩くほうが歩きやすく、僧侶の読経も早く短いのがありがたい、という意味。

66. すまじきものは宮仕え ( すまじきものはみやづかえ )

 官庁や会社などに勤めると、自由気ままにふるまえず何かと気苦労も多いので、なるべくならしないほうがよい、という意味。
 【例】 「すまじきものは宮仕えで、弁護士を目指すことにした」

67. 住むばかりの名所 ( すむばかりのめいしょ )

 田舎に住んでいる人は、とかく都に住む人をうらやましく思うが、実際に住んでみると物価が高かったり、 人情が薄かったりで何も特別よいということはなく、ただ都会に住んでいるというだけのことであるという意味。 それほどではないことのたとえ。

68. 住めば都 ( すめばみやこ )

 住み慣れれば、どんな所でも住み心地がよくなってくるものであるということ。
 【参考】 「地獄も住処」と同じ意。
 【例】 「引っ越してきたときは不便なところだと思ったが、住めば都で、今は何とも思わなくなった」

69. 相撲に勝って勝負に負ける ( すもうにかってしょうぶにまける )

 いい相撲をとっていながら、最後の土壇場で負けてしまう意で、いい経過をたどりながら結果的には失敗してしまうこと。

70. 相撲に負けて妻の面張る ( すもうにまけてつまのつらはる )

 外でつまらない事があると、そのくやしさを妻に八つ当たりする。内弁慶。

71. 相撲馬鹿取る利口見る ( すもうばかとるりこうみる )

 相撲は取るより見て楽しむ方が利口である。

72. 擂粉木で重箱洗う ( すりこぎでじゅうばこあらう )

 すみずみまで行き届かないこと。大まかなことのたとえ。

73. 擂粉木に注運 ( すりこぎにしめ )

 不似合いなこと。

74. 擂粉木に羽が生える ( すりこぎにはねがはえる )

 あり得ないこと。

75. 擂粉木の年は後へよる ( すりこぎのとしはあとへよる )

 すりこ木は古いほど短い。

76. 擂粉木を食わぬ者なし ( すりこぎをくわぬものなし )

 身分の上下を問わず、みそ汁を食べない者はないということ。 みそをする時に、すりこ木のすり減ったものが入ってしまい、みそと一緒に食べてしまうことからこう言う。

77. 擂鉢へ灸をすえる ( すりばちへきゅうをすえる )

 少しも感じないこと。昔は「灸すえ日」の行事としてすりばちに灸をすえた。

78. 受領は倒るる所に土を掴む
  ( ずりょうはたおるるところにつちをつかむ )

 受領というのは、ころんでもただ起きないほどに貪欲であることを言う。 受領は諸国で政務を司る長官。

79. ずるい事は牛でもする ( ずるいことはうしでもする )

 ものぐさな人を叱ることばで、せっせと仕事をしなさいということ。

80. 駿河の富士と一里塚 ( するがのふじといちりづか )

 比べものにならないこと。とうてい及ばないことのたとえ。

81. するは一時名は末代 ( するはいちじなはまつだい )

 なすべき事はきちんとしなければならないということ。 事をなすための苦労は一時のことだが、しなかったための不名誉は永久に残る。

82. する様にならないでなる様になる
  ( するようにならないでなるようになる )

 なんでも物事は思うとおりにはならないことをいう。

83. 坐ったりねまったり ( すわったりねまったり )

 落ち着いて坐っていられない様子。寝たり起きたりのこと。
 【参考】 「ねまる」は「寝る」とも「坐る」とも書く。

84. 寸進尺退 ( すんしんしゃくたい )

 少し進んで大きく後退すること。 得るものは少なく、失うところが大きいことのたとえ。

85. 寸前尺魔 ( すんぜんしゃくま )

 少し善い事があると、次には大きな悪いことが起こる。 とかくこの世の中は善い事には邪魔が入りやすいものである、という意味。
 【類句】 好事魔多し

86. 寸鉄人を刺す ( すんてつひとをさす )

 「寸鉄」は短い刃物。短い刃物で人を刺し殺す意から、 物事の本質を言い当てた短い言葉で相手の急所を鋭く突くことをいう。
 【例】 「彼女はいつも寸鉄人を刺す警句で会議をまとめていた」

87. 寸にして之を度れば丈に至りて必ず違う
  ( すんにしてこれをはかればじょうにいたりてかならずちがう )

 長いものを少しずつはかっていくと、全体の値は必ず違いが出る。

88. 寸の鉄を切ること無し ( すんのかねをきることなし )

 短い鉄を切るには、相当の技術を要する。 小さなことでも馬鹿にしてはいけないということ。

89. 寸伸びて尺となる ( すんのびてしゃくとなる )

 少しのがまんをして、当座の窮をしのいで行けば、だんだん楽になる。 また、身代がある程度よくなってくれば、あとはどんどん伸びるのたとえ。

90. 寸馬豆人 ( すんばとうじん )

 遠くの人馬が小さく見えること。また、画中の人馬が小さく描かれていること。

91. 寸を進めずして尺を退く ( すんをすすめずしてしゃくをしりぞく )

 少しも進まず大きく後退すること。こちらから進撃せず、できれば戦わずに退避する。

92. 寸をまげて尺を信ぶ ( すんをまげてしゃくをのぶ )

 小さな利益を捨てて大きな利益を取ることのたとえ。
 【参考】 「寸を屈して尺を伸ぶ」ともいう。
 【類句】 尺を枉げて尋を直くす

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