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身体の「耳」を含む ことわざ

1. ( じじゅん )

 六十歳の称。孔子が「六十而耳順(六十にして耳順(みみしたが)う)」といった語に基づく。
 【参考】 不惑

2. から口 ( みみからくち )

 人から聞いた事を、すぐそのまま人に告げること。受け売りすること。
 【類句】 道聴塗説

3. を覆って鈴を盗む ( みみをおおってすずをぬすむ )

 盗んだ鐘を壊そうとして、音がするので自分の耳をふさいだという話から、 自分の罪悪が人に知れないようにと思っても、すぐ人に知られるたとえのこと。
 【参考】 「耳を掩いて鐘を盗む」ともいう。
 【類句】 目を掩うて雀を捕らう

4. を貴び目を卑しむ ( みみをたっとびめをいやしむ )

 人から聞いた事は尊重するが、自分で見たことは軽んずる。 遠い昔のことを尊び、今のことを軽んずることにもいう。
 【類句】 耳を信じて目を疑う

5. 聞は目見に如かず ( じぶんはもくけんにしかず )

 耳で聞いて得た知識よりも、目で見た見識のほうが確かである。 聞きかじりよりも、体験によって得た知識が正確である。

6. に胼胝ができる ( みみにたこができる )

 同じことを何度も聞かされて、もううんざりだと思うこと。
 【例】 「その話は何度も聞いたから耳に胼胝ができたよ」

7. 寝に水 ( ねみみにみず )

 安らかに寝ているところに突然、大水が出て「水だ」という叫び声が聞こえたこと、ということから、 不意の出来事に驚きあわてるたとえ。
 【参考】 「寝耳」は睡眠中に耳にはいること。夢うつつに聞くこと。
 【例】 「一大プロジェクトへの起用は、寝耳に水で、すぐには信じられなかった」

8. 牛を執る ( ぎゅうじをとる )

 団体や党派などの頭となる。仲間の上に立って思うままに指図する。昔、中国の諸侯が集まって同盟を結んだとき、 その同盟の中心となるものが、刀で牛の耳を切り、皆でその血をすすって誓った、という故事による。
 【参考】 「牛耳る」とも使う。
 【例】 「彼は新しいクラブを作り、そこを牛耳っている」

9. 飛長目 ( ひじちょうもく )

 物事の観察に鋭敏なこと。遠くのことをよく聞くことの出来る耳と、よく見る事の出来る目。

10. 馬東風 ( ばじとうふう )

 「東風」つまり春風が吹くと人は喜ぶが、馬には何の感動もない、ということから、 人の意見や批判などを、気にとめず聞き流す、という意味。
 【類句】 馬の耳に念仏

11. 壁にあり障子に目あり ( かべにみみありしょうじにめあり )

 どこで誰が聞いているか、どこで誰が見ているかわからない。 密談や秘事はとかく漏れやすい、という意味。
 【参考】 「壁に耳あり」ともいう。
 【参考】 Walls have ears. の訳語。

12. 右のから左の ( みぎのみみからひだりのみみ )

 右の耳から聞いた言葉が、すぐに左の耳から抜け出てしまう、ということから、聞いたことが少しも頭に残らない、という意味。

13. 馬のに念仏 ( うまのみみにねんぶつ )

 馬が念仏などを聞いても、少しもありがたがらないことから、意見などを言っても聞き入れようとせず、無駄であること。
 【例】 「人がせっかく助言してあげたのに、馬の耳に念仏だったようだ」
 【類句】 馬耳東風

14. 疾雷を掩うに及ばず ( しつらいみみをおおうにおよばず )

 雷鳴があまりに急で、耳を掩ういとまがないということから、行動があまりにも速くて、防ぐいとまのないさま。

15. 目からへ抜ける ( めからみみへぬける )

 見ることは見ても、頭の中にはなにも残らずおぼえていないこと。

16. 杓子は掻きの代わりにならず
  ( しゃくしはみみかきのかわりにならず )

 大きなものは小さな場所では使えない。
 【参考】 「大は小を兼ねる」は、これと反対の意味を持つ。

17. 聾の早 ( つんぼのはやみみ )

 耳の聞こえない人は、用談の時にはよく聞こえないのに、聞こえなくてもよいようなことは、かえってよく聞こえる。 また、耳の聞こえない人は人の話が聞こえもしないのに、とかく聞こえたふうをして早合点する、という意味。

18. 至言はに忤う ( しごんはみみにさからう )

 この上なく適切に言い表した言葉は、とかく人々の耳に痛い場合が多い。

19. 潁川にを洗う ( えいせんにみみをあらう )

 太鼓の堯の時、潁川のほとりに隠れ住んでいた許由は堯帝が天下を譲ってやろうというのを聞き、 汚れた話を聞いたといって潁川で耳を洗ったという故事。

20. 忠言はに逆らう ( ちゅうげんはみみにさからう )

 忠告の言葉は気にさわることが多いが、自分の行ないにはためになる。

21. 大声は里に入らず ( たいせいはりじにいらず )

 高尚な道理は、一般の人には理解されがたい。 「大声」は、本来は高尚な音楽、「里耳」は、、俗人の耳。

22. 賢者は長いと短い舌を持つ
  ( けんじゃはながいみみとみじかいしたをもつ )

 賢い人は人の言うことをよく聞くが、自分から言葉を発することが少ない。
 【類句】 賢者は九聞いて一しゃべる

23. 昼には目あり夜にはあり ( ひるにはめありよるにはみみあり )

 昼は人の目が光っており、夜は人の耳が聞いている。 壁に耳あり障子に目ありで、秘密のことは特に注意すること。
 【類句】 天に口あり地に耳あり

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